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フードデザインという仕事を通じて思うこと

2015年9月6日 at 19:30

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昨日、名古屋にあるアンティークショップ「The Apartment Store」で、一組のカップルが結婚式を挙げました。今回その結婚式にて高杉アトリエのフード部門とも言える「小さな食堂」で全体のフードデザイン、プロデュースを担当させて頂きました。
「小さな食堂」は今年で9年目。去年くらいから通常のケータリング以外にも、ブライダルでのフード提供の案件も増えてきて、何だかデザイン事務所「高杉アトリエ」のフード部門というよりは「小さな食堂」として独立している感じにもなってきました。
 
小さな食堂は「フードデザイン」を行っています。
「フードデザイン」。あまり聞き慣れない言葉だと思いますが、この言葉を使うようになったのは、確か地元のコニュニティーFMに出演した時。自己紹介の際にとっさに出た「グラフィックデザイナーやフードデザイナーをやっています。」というフレーズ。あまり意識していなかった言葉でしたが、この時からフードデザイナーという肩書きを名乗るようになりました。
 
この定義は僕の勝手な定義なので一般的かどうかは分かりませんが、フードコーディネーターとフードデザイナーの違いは、仕事の範囲の違いが大きいような気がします。一般的にフードコーディネーターはレシピを作ったり、撮影用の料理を作ったり、そんな仕事が多い気がしますが、フードデザイナーは食に関わる広い範囲の様々なモノコトをデザインします。
 
今回のブライダルで行ったフードデザインをちょっと羅列してみます。
 

  • フード提供の全体の方向性の提案
  • 会場での料理提供に関わるレイアウトの提案
  • レシピの制作(シェフと擦り合わせ)
  • 植物の打ち合わせ(フラワーショップ様と)
  • デザインされたビュッフェスペースの作成
  • 提供するカトラリーや備品のご提案
  • スケジュール管理
  • 全体の予算とオペレーションの提案
  •  
    フードデザインという仕事は、料理をするだけでは成立しません。
    お金の話や料理の話、スケジュールの話やオペレーションの話。様々な方向性からあらゆる事を検証していき、最終的にはクライアント様の要望に沿った料理をご提供していきます。
     
    料理は自炊している人も多いと思うので、一見ハードルが低そうに見えます。しかし実はフードデザインの仕事は調理以外の部分が仕事の大半を占めています。だからフードデザイナーを目指すのであれば、料理以外のことも沢山知る必要があります。この辺りは他のクリエイティブな仕事にも共通していますが、最近は何か特定の分野をプロデュースするためにはマルチな仕事が求められるようになってきました。何か一つの事をやっていれば仕事になった時代はひょっとしたら終わってしまったのかも知れません。
     
    無くならない仕事なんて無くて、タイプライターというワープロ打ちする専門の仕事はいつしか無くなりました。履歴書に貼る写真は自動販売機の様な撮影ボックスが割と定番です。ポケットベルは知らない人さえいます。人が行う仕事には目的が必ずあります。その目的にあったツールを提供していくことが大切で、僕は人々の生活に無くてはならない「食べる」という行為をもっと楽しく、幸せな時間に出来るといいなぁと思って様々な「フードデザイン」にトライしています。
     
    若い時に勉強しておけば良かったと、良く聞いたものです。最初は経理マンからスタートした僕の仕事人生。そこからデザインや写真、ケータリングをやったりイベントを作ったり、様々なことに取り組んで来た事に一つも無駄なことはありませんでした。これからも色々なことにチャレンジして、みんなにとって「良い」と思えるモノコトを作っていけるなら、それはとても幸せな事だと思います。そうなれるようにこれからも努力していきたいと思います。
     
    色々書きましたが、昨日の結婚式のフードデザインが無事に終わって本当に良かった。
    明日からもまた気持ちを切り替えて頑張っていきたいと思います。
     
     
     
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    新郎新婦が青が好きという事で、今回のテーマカラーはブルーに。テーブルに置かれているナフキンに青を用いました。青の色も会場の雰囲気に合うかどうかを検討した上で採用しました。
     
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    前菜は一部ビュッフェにするというご提案をしました。
    ビュッフェのデザインも、料理を畑のようなイメージで見せる事で自分で採って楽しむライブ感を演出しました。
     
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    所々置かれているグリーンは、事前に打ち合わせで決めたり、フラワーショップが当日持って来た植物をお借りしながら、バランスを見て設置しました。朴葉や松ぼっくりなどはネットなどで購入すると形が綺麗すぎるので、いつも飛騨の朝市まで出掛けて購入しています。
     
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    ソフトドリンクなどは寂しくならないようにグリーンでにぎやかにしてもらいました。
     
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    完成の状態。あまり見た事の無いデザインで、ゲストが写真を撮影したりと、評判は上々でした。
     
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    今回、調理を担当した「モヨリノ」のスタッフ。自分たちが料理をしたものがビュッフェ台でこのように変わるのかと、びっくりしてもらえたのも今回の収穫でした。
     
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    新郎新婦が好きという北欧のテイストをスモークサーモンで表現。ナチュラルな菜園仕立てはシェフのアイデア。