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先が見えないことへの不安は、当たり前だと思えた。

2015年10月25日 at 13:14

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毎年数回、長野県塩尻市のりんご農家を訪れています。今年もつい先日時間を見つけて出かけてきました。いつも天気がよいとリンゴ畑でランチをしたり、近況報告をすることがこの旅の定番です。
 
リンゴの生育がどうだったのかとか、今植えている新しいリンゴの苗の話や、僕が宝くじに当たったらワイナリーを作る話とか、ふと毎日に忙しい現場を離れるととても気持ちが整理されて、話をしながら自分の頭を整理しているというか、なんだか気持ちが楽になります。最近はTPPをはじめ、色々な政治の動きが自分の生活に紐づいている事を何となく肌で感じている人も増えてきた気がします。僕もその中の一人です。
 
実はいつも訪問しているリンゴ農家の林さんは、フランスで飲める本場のシードルを日本でも作りたいという想いから、長野に移住してリンゴ栽培を始めた方です。本場のシードルはリンゴが違う。だから一から苗を栽培して木を増やしています。でも、種から育てても意図する品種にならない事もあったり、継ぎ木をしても上手くいくか分からなかったり、林さんたちがやっていることは全てギャンブルの様な事です。それでも毎年フランスのワイナリーに出向いては資料を集めたり、リンゴの成分を分析してシードルに使えるリンゴなのかを評価したり、気が遠くなることばかりやっています。
 
農業をやっている集落などには大抵ローカルルールが沢山あって、それに慣れるのも大変で、もちろんルールを守りながら、みんなで協力して生活をしています。その中で新しいことをスタートすることはどれだけ大変なことか。でも林さんはいつも笑顔で出迎えてくれます。
 
このタイミングでいつも「僕が悩んでいる先の見えない不安なんて、ほんと大したことないな。」と気がラクになります。そして何でもコントロールしようとしすぎていないかな、といつも考えさせられます。
 
僕たちがやっている仕事の先には必ず人がいます。自分の好きや嫌いという気持ちすらコントロールできない僕らが、その先の人たちの気持ちをコントロール出来る訳なんてない。だから分かってもらおうとするんじゃなくて、自分自身の想いを持つ事、そしてその想いを伝える事、それがやるべき事なんじゃないかと思います。
 
うまくリンゴが育ってもその先が上手くいくかなんて分からない。でも毎日動くことをやめず笑顔で人を迎えられる。僕もそんな素敵な人なりたいなぁと思います。
 
もしも意図しないリンゴがたくさん育っても、そのリンゴはきっと美味しいと思う。いつかそのリンゴで作ったシードルが飲めることを楽しみにしながら、僕らもいろんな仕事を頑張って行きたいと思います。
 
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