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自然の中から生きる上で大切な事を学ぶ

2016年7月8日 at 14:54

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毎週用事が無い限りは出掛けている、三重県松阪の拠点。
自然の中に身を置きながら、色々な日々のことを考えたり、何も考えずに頭を空っぽにしたり、とにかく気分転換になるなぁと思って、束の間の休息時間を楽しんでいます。
 
「デザインを仕事としているウチの会社と、自然という部分がどう関係あるのか?」を疑問に思われるかも知れないので、拠点が完成に近づいているので、少しずつ思っていることを記して行きたいなと思っています。
 
高杉アトリエが考えているデザインとは、シンプルな言葉で表すと「生きる手段」。
ざっくりになってしまいますが、私たちが生きる為に必要とする色々な問題や課題を、デザインという手段を使って解決していきたいと思っています。地方移住やファーマーについて興味がある訳ではなくて、生きるための手段がどこにあるのかを考えて行きたいと思っています。
 
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先日も松阪市で開催されていた「鈴鳴り市」を少し見に行きました。松阪周辺の農家さんや愛知県からも色々な出展者が集い、月に一度マルシェを開催しているそうです。僕の父親も流木アートや、竹で作る万年筆のようなペンを販売していました。
お世話になっている嬉野の農家の藤田さんや、イベントでご一緒させて頂く機会のある美杉のホアビンテーブルさんも参加していて、名古屋でなくて三重で一緒にいるというのが、まだ慣れず不思議な感じでした。
 
僕は先に嬉野に戻りましたが、藤田さんもホアビンさんも嬉野の改装中の家に遊びに来て、色々な事を話しました。
マーケットのこと、村のこと、食のこと。そしてこれからのこと。
 
 
最近は地方移住という事がよく取り上げられますが、地方移住で農家になったりといった感じで、だいたい自然に触れる機会が必要だというPRが増えました。そういう人が本当に増えたのか、雑誌や色々な意図が働いていてそうなっているのかはさておき、何となくこのままの生活では生きて行けないという気持ちがみんなの中にあるのは事実なのかなと思います。
 
でも地方移住してみんながファーマーになれば問題が解決するのか?
オーガニックな生活をすれば本当に豊かな暮らしが出来るのか?
僕には正直分かりません。「あれも悪い、これも悪い、無添加、非遺伝子組み換え、オーガニック。」それ以外は駄目だという意見もとても良く耳にします。でも僕の近くにいる一番オーガニックな生活をしている農家の藤田さんが良く言っていること。
 
「色々やって来て本当に美味しいと思ったから、これがいいと思ってやっている。それが今の自分の野菜の育て方なんだ。みんなに食べて欲しいとは思っていないし、無理な話だ。みんながこれを求めると、多分世の中の(需要と供給の)バランスが崩れてしまう。そんな動き(ムーブメント)が起きそうになったら、起きる前に僕たちは潰されてしまう。だからこれがいいと思う人が買えばいい。」
 
自分がいい事をしていると思っていると、考えを一方的に押し付けてしまい、相手を攻撃してしまうのが人間の性なのかも知れません。承認して欲しい欲求がつい表に出て来てしまうのかも知れません。でも本当にものというものは、インターネットの情報では手に入らず、情報強者の中だけでやり取りがされるものだろうと思います。みんな平等なんて多分とっても不可能な話で、身体に悪かったのか良かったかなんて、注意深く自分に問いかけるしかないのかも知れません。
 
水は上から下にしか流れず、太陽は登って沈む。身体に菌が入るとやっつけようと体温が上がる、食べないとお腹が空く。食べないと生きられない。自分でコントロールしているものなんて、本当はほとんど無くて、僕たちはその流れに背くことは出来ません。だから自分でコントロールできることと出来ない事の分別は付けないといけません。コントロール出来ないことをあたかも出来るというような、そんな不誠実なことはしたくないなぁと思います。
 
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色々食や農業や村の事を考えて行くと、ナチュラルな方向に向かう(戻る)考えに寄りがちです。
たしかにそれも一つの手かなと色々考えながらも、僕は村にガソリンを使って排気ガスを出しながら向かいます。実は環境にとって悪いことをしているかも知れません。
 
みんなが車に乗るのを辞めたり、原点に戻るような考え方に向かっても、多分色々な課題は解決しないと思います。ゼロにするのは一見簡単そうに見えるけど、一度動き出したものを止めるのは本当に難しいこと。だから動き出したものをゼロにすることに注力するよりも、動きながら課題を解決していくことをしたいなぁと思います。これが自然に寄り添って考えた最近の結論。
 
デザイナーとして、デザインというツールを使って、企業や人、もっと大きく言えば世界中の問題や課題にチャレンジしていくことが僕たちの使命なのかも知れません。
考えることも大切だけど、実際に動く事がもっと大切。頑張って考えて、頑張ってデザインしたその先には、きっと色々な幸せの形があって、今よりも豊かな暮らしが待っていると信じています。