デザインとかいいなと思っていた、12年前の自分に言いたいこと。

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上の写真は12年前の僕のデスク。仕訳処理や税金が分かる本、連結決算の関係の本とかが置いてある。これは企業の経理マンだった頃の写真。
 
ちょうどその頃、白川公園近くにあったn.v.cafeに行くと、デザイナーとか地方のタレントさんとか、クリエイターがたくさん遊びにきていて、僕もあんな華やかな人たちの仲間入りをしたいなぁとずっと考えていました。でも自分の仕事は企業の経理マンだし、何から手をつけていいのかも分からずにダラダラと時間ばかり過ぎていた気がします。
 
デザイナーとか、クラブでDJやっていますとか、イベントを主催していますとか、本当にカッコいいなぁと思って憧れていました。僕は何となく流れに身を任せて、今はデザイナーという仕事をやらせてもらえていて、今振り返るとこういう事をしておいた方がよかったのかなぁと思ったり色々しますが、それが12年前に知っていたらもっと良かったのにと思う事も多々あります。
 
ふと入稿の合間に過去の写真を見る事があります。その写真を見て昔のことを思い出しました。
もし20歳過ぎてどうしたら良いのかと悩んでて、でもデザインをやりたいと思ったりする人が居たら、これを読んで勇気を出してくれたらいいなぁと思っています。
 
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これは今のデスク。ちょっとデザイナーっぽくなりました。
経理マンとして働いていた当時の僕はいつも気持ち的に挫折していました。当時はカフェのオーナーになりたかったんです。
でも何から手をつけたら分からなかったので会社に内緒でカフェでバイトしようと考えた事があります。でも結局バレたらとか、やっても意味があるのかとか、色々考えて辞めました。いつもこれの繰り返し。やろうと思っても、今やっている人たちとの距離がありすぎて、一歩も前に進めませんでした。
 
デザインを始めるにしても、勉強したことが無いし、取り合えずイラストレーターの使い方の本を見ても全然頭に入って来ないし、フライヤーを作るオファーなんて勿論ないし、ちょっとソフトを触って終わり。個人の活動のホームページを頑張って作ったりしても、誰が見るのかという内容だし、もちろん作ってもオファーなんて来ない。とりあえず屋号とか考えてやってる風なことをしてみたりしても、結局オシャレなカフェでお茶をしている時に僕らの前を通っていく、あの人達には勝てないという挫折ばかりでした。
 
たぶん、やってそうな人たちとやってない自分を見比べて、負い目を感じることってあると思います。それで挫折する事もあると思います。でも今考えたら挫折の気持ちがあって良かったと思う。明確にある違いを自分の中で感じている、その後ろめたさが前に進む原動力になるというか、変にそれっぽくカッコ付けてカフェでお茶して満足しているよりも、挫折感が有った方が良いと思う。
 
ちょっとしたイベントでコーヒー淹れてますとか、マルシェを仕切ってますとか、●●のショップオーナー知り合いとか、普段はサラリーマンだけど自分でブランド立ち上げてますとか、それっぽくしているだけって一番格好わるい。そういう自分もそれに気がつくのに時間がかかった。
こういうのが何がいけないのかというと、全然気持ちがお客さんに向いてなくて、自分に向いている所。
 
イベントでコーヒーを淹れるのが悪いのではなくて、お客さんに本当に美味しいコーヒーを淹れたいと本当に真剣に考えているかどうかとか、マルシェで本当にみんなに楽しんでもらいたいと思っているかどうかとか、そっちが大事だと思う。そういう本当の自分の気持ちって、行動とか言動に出ると思う。他人を利用して自分をよく見せようとしたって無理なんだと、今なら分かる。
自分の立ち位置を気にして何かをするんでなくて、シンプルにお客さんに何かをしてあげたいとか、一緒に作り上げたいとか、そう思えるかが、プロとそうでない人の違いなんだと思う。
 
何をやったらニーズが満たせるのか、それをするには自分に何が足りないのか、だから今何をやるのかを焦らずに、上手く見せようとせずに、目の前の課題を一生懸命やっていくことが一番大切なんだと思う。足りないものを何とかするということは、自分で指標を決めて、自分と取り交わす自分との約束。もう出来ているあの人の事と自分を比較する必要はないと思う。
 
下手なデザインでもその時のベストを尽くすし、まずい料理でもその時のベストを尽くすし、いつでもベストを尽くす事が、一番大切なことなんだと思います。
泥臭くても、気に入らなくても、我慢して実際にやり続ける事。そして嫌な思いをしたり、悔しい思いをしたり、でもたまに自分で自分に「前よりも僕は成長しているかな?」と聞いてみたり。そうしていると、いつか気がついたら後ろめたい気持ちなんてどこかに行ってた。そんな日が来るのだと思っています。
 
SNSでそれっぽく写真を撮ってアップして満足してる暇なんてなくて、もっと具体的に、シンプルに前に進んだ人たちだけが見える景色があるんだと思います。
僕もそれが見れるように、もっと今まで以上に頑張りたいと思っています。

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