慣れてしまってはいけないこと、僕が考えているデザインのこと


ここ2ヶ月くらい、ずっと土日は結婚式本番や準備に追われていていました。楽しい現場だから疲れてなんていないと思っていたけど、ここ数日肩こりから来ている頭痛であまり動けず、デスクワークをしながら、あまり外出しないようにしていました。
 
緊張感の連続で、思ったよりも体は疲れていて、そんなにタフではないんだとこのタイミングで実感しています。昔はもっと動けたと思うけど、年齢には逆らえないなぁと日々感じています。
 
SNSやinstagramで弱気なことを書くと、仕事メールに「体調大丈夫ですか?」とか「結婚式は一生に一回だから緊張しますよね」とメッセージを頂く。そうか、これは逆に慣れてこなすようになってしまっては駄目なんだと気がつく。僕らにとっては年に何回もあるイベントかもしれないけど、相手にとっては一生に一回。やり直しが効かないイベントだからこそ、僕たちは慣れてしまってはいけないと感じています。
 

アウトプットは華やか。
でもその裏側にはいくつもの積み上げた苦労があります。僕たちが行っているフードデザインは、誰かの指示をもらってデザインをする訳ではなくて、その時にその場所にあった最適な手段を用いて、自分たちで考えて自分たちで組み立てる。全部自分の責任。
 
このドーナツタワーも会場までの途中にデコレーションするフルーツで使えそうなものがあれば購入して、その場で即興で組み立てています。ブッフェも会場で組み方を考えることで、最適なプランを導き出し、予定していたものと全く違うものを作りました。
 
予定していたものを組み立てるだけだったら、誰でも出来るのかもしれない。
例えばフルコースの料理を自分の分だけ時間に制限なく作るのならば、一流のシェフに食べてもらっても恥ずかしくない料理がいつかは作れるのかもしれません。でも、場所も条件もルールも全て変わるそのステージで、自分たちのデザインをやるためには、相当なスキルと自信と経験と準備が必要なのだろうと感じています。
 

僕は例えば東京に出張へ行くと、空き時間に雑貨や什器などを見て回る。これは次にこう使えるかなとか、このデザインに使えるんじゃないかとか、もうこれは手に入らなくなるから買っておかないと、とか。ずっと考えている。ふと誰かと会話している時に必要なものが見つかると、その場で手配したり、全てその場で処理していく。いつかやろうは、今やることを心がけています。
 
10年以上前は、今のようなフリースタイルウェディングなんて無かったし、僕たちもそんなものをこなすスキルも全く無かった。でもその時に出来る最大限のアウトプットを心がけていたし、グラフィックデザインも、常に悶々としながら先輩たちに負けていることを悔しがり、日々素振り練習のようなことを繰り返していた。それは結局今も変わらずずっと続いています。
 
でもはっきり言えるのは、それは疲れることはあっても苦痛だとは思わないし、課題をクリアして新しい価値を生み出す喜びだと思っている。それができるのが僕たちチームの強みなのかも知れません。
 
今はSNSとかでそれっぽいデザインを探して、それっぽくインプットを増やして、それっぽくアウトプットしているものばかりだ。だからこそ僕たちプロはそれを超えて行くことをやらないといけない。現場で悔しい思いもしながらでも、少しずつでも前に進まないといけない。
 
目標は高い方が面白い。大変だけどもうちょっと頑張っていきたいと思っています。

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