デザイン事務所がこれからの時代を生き抜くために

2020年1月3日 at 08:29


最近よく考えている「少子高齢化社会」と「人口減少」と「技術の進化」について。
私たちが仕事をしている「クリエイティブ系」と言われている業界にも時代の波が訪れて、写植や刷版のためのイメージセッターを知っている人も、若い世代ではほぼ居なくなった。
 
どうでもいい話だけど、デザインデータをつくる際に、イラストレーター上で画像を回転させようものなら、印刷会社の人に怒られていた時代なんてもう過去の話。安全な入稿データをつくることに価値があった時代から、今ではネットプリントで入稿時に印刷データのチェックまでやってくれて、納期や価格もその場で分かる。現代では誰がみても分かるくらい業務が効率化された。
 
数年で必要なスキルが変わっていくなかで、今までと同じ仕事のやり方をしていたら、人口が減ってパイが減るわけだから、仕事も取り合いになっていく。だから現状維持でもいいという話は贅沢な話で、維持していくだけでも非常にハードルが高いのがこれからの時代だ。
 

様々な仕事をする事がプラスに変わった

 
僕を知っている人なら良くわかっていると思いますが、僕は仕事の幅が物凄く広い。グラフィックデザイン、ウェブデザイン、フォトグラフ、ムービー、フードデザイン、ケータリング、1次産業、キッチンカー、最近ではドローンを飛ばす準備も始めた。10年前は「色々やり過ぎて中途半端」と言われていたのが、いつの間にか「色々やった方が良い」世の中になり始めている。
 
社会が働き方改革や副業容認の方向に舵を切ったのは、年功序列や終身雇用が崩壊したからで、自己責任で何とかして欲しいという思惑もあるんだろう。自己責任という世の中になって行ったら、今までスキルがなかったのに仕組み的に食べられていた人が食べられなくなるし、さらに進む情報化社会において、ブローカーのような仕事をやっている人もどんどん必要なくなってしまう。
 
直接価値を生み出せる人が必要とされる社会になり、情報や価値の間を取り持つのはテクノロジーに任せる時代になる。だから、直接価値を作り出せてないと思うなら、作り出せる努力を今から始めていく必要がある。
 

メインストリームという考え方がなくなる

 
デザインを生業にしているなら、トレンドを追わないといけないという感覚は、何となくクリエイティブという業界にいると感じたり教わったりしたと思うけど、これからは「メインストリーム」にいないといけないという発想自体が陳腐化していき、多様なスタイルが許容されていく。
 
例えば、グラフィックデザイン一本という時代から、カメラマンに転身して、たまにすごいグラフィックも作ってしまう人が出て来たり、料理をやる人が農業をやってみたり、ゲストハウスをやりながらサラリーマンをやったり、業種自体に囚われずにフリーランサーが増えていくことで「メインストリーム」という発想が崩壊してしまった。
 
先日お会いした、松阪市の地域おこし協力隊をやっているご夫婦は、奥さんが村おこしをスタートさせながら、旦那さんは主に週末名古屋で趣味と仕事を兼ねた仕事を持ち、独特なライフスタイルで生活されている。田舎と都会を行き来しながら自分たちの好きな事で世の中に貢献していくスタイルにすごく共感した。ネットワークやSNSが発達したことで、これからはこういう自由な働き方で価値を見出せる人たちが重宝される時代が確実にやってくる。
 

世界の課題と日本の課題のギャップ

 
 経済大国で国際競争力がある日本だからこそ、豊富な資源を世界から集めて私たちはその恩恵を受けている。日本に住んでいたら実感しないかもしれないけど、これから数十年で地球上の人口は爆発的に増加して、食糧や水をどう確保するのかという課題がある。その中で経済や人口が緩やかに後退している日本に、今のような豊富な資源が流入してくるのか。今当たり前のことがこれから当たり前でなくなるかもしれない。
 
今のインフラ上で生活していると馬鹿げていると思われるかもしれないけど、僕が田舎でクリエイティブを行う理由の一つに、最低限の生活基盤を確保しながら制作活動を行いたいという想いがある。今計画している三重県のアトリエには上下水道は通っておらず、井戸水を汲み上げて、汚水は浄化槽で浄化して排出する仕組みだ。蓄電設備などの検討も行っていて、後々オフグリッドも検討できるような仕様でデザインを設計している。
 
アトリエの横はやっぱり野菜を育てるための畑を確保して、自給自足も可能なくらいの生活サイクルで、日本中、世界中の仕事をこなす拠点にしたいと考えている。
 
なぜ世界中で昆虫食やビヨンドミートが出て来ているのか。その流れを考えると今考えておかないといけないことがわかってくる。
 
距離はテクノロジーで埋められるようになって来た。だから私たちは安定した生産拠点に場所を移し、今まで以上にたくさんの人に関わっていけるようなプロダクションに変化していきたいと思っている。
 

これからの1年の間にやっていくこと

 
名古屋の割と中心部で拠点を構えてちょうど10年が経った。仕事の幅も広がり持ち物も増えた。もう仕事道具は溢れてしまっている。コンテナ倉庫は外に4つも借りている。これから3ヶ月くらいかけて生活の棚卸しを行い、不要になったものを処分する。その間に拠点の仕様と借入金の手続きを完了させてアトリエの工事を着工させたい。
 
サイトのリニューアルなども順番に行ったり、色々とやる事が多いので、今週中に一度スケジュールをまとめて、ざっくりイメージをつかみたいと思う。