今回の増税について思うこと

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4月から消費税が上がることで、ビジネスによっては特需が起きているところもあるんだろうなと思っています。そのあたりの話は今回はいいとして、このイレギュラーな時期に人の本質が見えるなと感じたことがあったので、今日はその話を。

高杉アトリエは、広告制作やグラフィックの仕事、ウェブサイトの制作など、多岐に渡る業務を行っています。広告に関わると印刷にも関わります。フライヤーといった成果物があると、もちろん郵送したりするので宅配業の方達も関わります。どうもこの消費税増税のタイミングで、印刷業や宅配業はパンク寸前だそうです。

実はクライアントさんのところにお邪魔している時に、隣から「昨日約束したのに、今日色々言われても困る。絶対に間に合わせてください。」とか「印刷が遅れて、あそこは最悪だな」とか、そういう類いの声(実際はもうちょっとひどい言い方)が聞こえてきました。

批判を承知で書くと、確かに約束が遅くなると困るけど、そこまで人間否定をするくらい言うことなのかな?と思ってしまいました。よく考えてみると、700円くらいで夜の19時までに出すと、翌日の午前中に東京に荷物が届く。これってすごいことなんじゃないかな?背景には人の努力があって、実際には誰かが荷物を運んでいる訳で、100%のことなど世の中には存在しなくて。でも僕らは知らない間にそういう100%を求める感覚に陥っているんじゃないかと、少し怖くなりました。

先日、車のバッテリーが切れて通販で購入したら、発送センターが南区だったので取りに伺いました。そしたら発送センターでは数人の作業員の方が本当に忙しそうにピッキング作業をしていました。

実際に便利な通販を支えているのは人だし、高校生の時にバイトしたから知っていますが、コンビニのサンドイッチはライン作業で人が全部手作業で作っています。

結局全て人がやっていることで、マウスをクリックしたらコンピューターが自動でピッキング作業をしている訳でなく(一部はそういう企業もあると思うけど)、ITの技術がハブになっているだけということは忘れてはいけないことだと思います。

災害でコンビニから一斉に商品が無くなってから気がつくのではなく、今からちゃんと考えておかないと、僕たちは知らない間に止まるべき場所でアクセルを踏む事になります。何事も100%で無い事を意識して、問題が起きた時に「なんでこんな問題が起きたんだ!」と怒る前に、具体的にその問題を解決するほうに力を注いだほうが絶対にいい。

もしそれが出来ず、関わる方、協力してくれている企業を否定する側にまわりたいなら、その会社は製造から配送まで、電話も何も使わずに、全部自分の足で完結できることだけやればいい。でも、それは無理な事だと思います。社会という中で生きる以上やっぱり関係性がでてくるんだから、協力して共に幸せになれたらいいなと思います。

でもなんでそういう気持ちにいつもなるのかなと考えていたら、僕の周りには手仕事に関わる人が多くいるからかなと。その人たちのクリエイティブを見る事で、その作り手に対する尊敬の気持ちが芽生えます。

なんだか話がごちゃごちゃしてきましたが、今回の増税で今の僕らの考え方の問題から、これからの課題も見えて来たなと思っています。

実はITに関わる人ほど、実際のものづくりや作っている人に目を向けるべきだと感じました。

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