僕が食をデザインする理由

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2日間連続という結構ハードなケータリングの仕事が無事終わりました。
夜のパーティーを終えて、片付けが終わって倉庫に什器をしまったのが午前2時くらいでした。次の日は朝から雑務をこなし、そのまま岡崎へ撮影へ。撮影終わりから打ち合わせに出掛けて戻ったのは午前0時でした。
思えば会場になっているアパートメントストアさんでのケータリングも、この1年で3回もやらせてもらっていて、フードのお仕事も増えてきていてとても嬉しいです。
 
僕が食をデザインする理由。デザイン事務所が畑違いに見える仕事をしている理由。そのことについて今日は少し書いておこうと思います。
 
元々、グラフィックデザインの事務所としてスタートしたこの会社も5年が経過して、色々な事にチャレンジさせてもらえる環境に変化してきました。グラフィック、ウェブ、商業写真、レシピを作ったり、テレビでフードコーディネート、そしてケータリングや村づくり。1年前と同じ事をしていては駄目だと思っていたり、有言実行を心掛けたり、そう思いながら今も進み続けています。
 
ここ10年くらいで「地元でお店をやりたいな」とか、「ネットショップを立ち上げて…」という話をたくさん聞いた気がします。でもそういう話って実現していないことが多いなぁと感じています。実現出来ていない事って、平行線を辿ってそうに見えても、よくよく見ると下降線を辿っている気がします。
 
何かを立ち上げる時、一番大切な事は「自分がそのプロジェクトをほんとに好きかどうか」なんだと思います。例えば「食べる事が好き」、「話す事が好き」、「掃除が好き」、「車が好き」とか。反対に、「儲かるから」、「流行だから」、「褒められたいから」だと、たぶん疲れてしまうんだと思います。何故かというと、人の目を気にして仕事をしないと行けないから、余計に考える事が増えて疲れてしまう。そう思います。
 
僕がいつも考えていることは、「無駄な事はしない」という事。
「地元でお店をやりたいな」とか、「ネットショップを立ち上げて…」とか、本当に思っているならそれに進めばいい。本当に思っていないなら、考えなければいい。たぶん人の目とかを気にし過ぎて色んな事を考えたり、中途半端に手をつけたりするのは無駄だと思う。もっと自分に素直になった方がきっといい。
 
タイトルの「僕が食をデザインする理由」。
これはシンプルに一緒に仕事をしてくれる人たちが好きで、やっていて楽しくて、お客さんに喜んでもらえて、お金を頂ける。仕事はこういう風にしていたいなといつも思っています。こんな事、きれいごとだって言う人もいると思います。でも、実在するんだと思って動いていたら、意外とそんな場面にたくさん遭遇します。だからたぶん綺麗ごとじゃ無いと思う。
 
10代の頃のカフェブームの時に、僕は東京のバワリーキッチンやロータスカフェに憧れて、カフェをやりたいと漠然と思っていました。
でも飲食店の立ち上げに参画して失敗して、一杯のコーヒーの利益を計算して、本当にカフェが好きな人しかカフェのオーナーになってはいけないと痛感して、僕はそれだけの覚悟が出来ていないと思って諦めました。でもやっぱり飲食が好きだと思ってケータリングをすることがずっと楽しくて仕方がなかった。
 
そんなケータリングを続けていたら、食に関わる仕事がだんだん増えてきて、今は三重県の限界集落に蔵を利用した食堂のようなバーのような場所を作ろうとしている。そしてずっとやりたかった食品加工をする場も出来つつある。
今、色んなことがたくさんあって本当に忙しいけど、想いがどんどん一つにまとまっていく感覚があって、楽しくて仕方がない。
 
自分でハンドリングして、自分で責任を持って、自分で楽しむ。
折角の人生なんだから、そんな生き方をしたいなと思う。

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