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デザインに携わる企業は「総合診療」か「専門病院」のどちらかになるしかないのかも知れない

2016年2月18日 at 18:09

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独立して5年目。
新たな課題もたくさん見つかって来て、先日お世話になっている税理士の西浦さんと、決算の話をしながらウチの会社が何をするべきなのかをずっと頭で整理していました。そんな中色々考えさせられる話を思い出したので、それについて記しておこうと思います。
 
先日、名古屋の観光スポットにもなっている半官半民という体制の企業様にお声掛け頂きお話をさせて頂いたのですが、その時の担当の方のお話がとても参考になりました。内容というのは「うちの会社は約7年前から広告代理店が入っておらず、直接クリエイターの方と一緒に広告を制作しています。」というひとこと。通常、あの規模の企業には広告代理店が入って舵取りをしているのが一般的だと思っていたのに、会社の担当の方が自分で勉強して、直接クリエイターとコンタクトを取って仕事をしている。正直、もうそういう時代なんだなとはっきりと腹落ちしました。
 
ITの発達で、直接関係者同士がコンタクトを取るようになってきている。たまたま見たテレビで地下アイドルはセルフプロモーションを行い、自分で焼いたCDを手売りしている様子がレポートされていました。これらの事例を含めて色々な事例を見ていると、これからの武器は「情報」なのではなく、「具体的な施策」なんだと思います。
 
最初から最後まで全部やる「一気通貫」ってどうなんだろう、と10年前は思っていました。でも今はこれで確実にお客様にメリットが出せる時代です。ただ、案件によって色々な手段があるので、自分たちがどの立ち位置にいるのかを自分自身で考える必要があるのだと思います。僕は仕事でウェブサイトも作るし、グラフィックデザインも写真も、ECの事業計画も作るし、ブランディングの方向性を決めたりもします。
これを中途半端とみるか、幅広い見識があるとみるか。
 
一例ですが、先日お客さんから「今回のウェブのリニューアルコストを考えるとこれは固定資産になるのかな?」と聞かれました。ウェブディレクターでこれに対して明確に答えを出せる人がどれだけいるのだろうか。本来そのウェブの企画がお客さんの損益/PL(Profit and Loss Statement)にどれだけ影響するかは当然考えないといけません。でもこれを答えられる担当はごくわずかだと思います。お客さんはウェブサイトを作りたいのではなくて、ビジネスのフォローになり得るかどうかで判断したいのだと思います。固定資産で減価償却の対象だとしてもキャッシュフローから見てどうなのかも考えないといけません。
 
こういった話を打ち合わせ上で出さないにしろ、持っていた方がいい情報です。
10年前はグラフィックだけで良かったのかも知れません。でも今は中間的な担当が必要なくて、僕らのような総合診療の様な拡張されたデザイナーが、自分の手に負えない案件は専門性の高いデザイナーやフォトグラファーとコラボレーションする。
 
よくよく考えて見ると病院は昔からそうしています。医療の業界でも総合診療の必要性が高まっているとテレビで見た事があります。たぶんどの業界でも一緒なのだと思います。総合診療と専門の大学病院みたいな、そんな関係。
 
高杉アトリエは立ち位置で言うと総合診療のような会社です。色々な知識から最適な解決方法を見つける会社なんだと思います。逆に、「ここに良いデザイン事務所があるよ」というのが代理店やディレクション中心の会社の役割でした。でも今はクライアント様が直接検索エンジンを叩いて探します。だからきっとグーグルと同じような役割を担っている会社はGoogleと競合しますが、情報検索は無料なので勝てないと思います。
 
小さい会社は具体的な解決策を持っていないと、最低限の役割を果たせない時代。
これからもっとそういう傾向は強まると思うので、よりプレイングマネージャーとして動いて行こうと僕は考えています。