ワークスペースを整理整頓したら変わった、心境の変化

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定期的にいらないものを処分したり、仕舞ったり倉庫へ移動したりと、常に事務所を綺麗にしないと気が済まないのですが、やっぱりそういう部分も仕事のアウトプットに影響してくるというか、大切なことなんだと最近気がつきました。
 
うちのアトリエはグラフィックデザインをはじめ、写真、フードデザインなど数多くジャンルの仕事を抱えているため、機材などもたくさん保有しています。今まではデザインをしている6畳の部屋に普段使用しないフードデザインの什器(器やチェーフィングディッシュなど)をたくさん置いてあったため、カラーチップや紙サンプルが取り出しにくく、なんだか使用するのにも億劫になっていた気がします。
今回コンテナ倉庫を2倍に増やしたので完全に食器などの什器は外に出して、デザインに使うものだけを部屋に置くようにしました。
 
そういうことをすると紙サンプルやチップを見ないといけない大きな仕事を任されたりしたり、不思議なことがおきる。全然関係ない話ですが、仕事でいろいろあって距離感ができてしまった方と、ゴールデンウィークに二人で食事に出かけていろいろ話して、また一緒に行動できることに喜んでいたら、二人でやりたい仕事のオファーを頂いて、今その仕事は進行している。
 
生きていると理屈では説明できないことがたくさん起きる。説明できないけど、きっと仕事でもなんでもやりたいと思うことがあるなら、自分がそういう体制でないといけなくて、だから僕が担当しているようなテイストのデザインをする場所は、やっぱり常にできるだけ整っていた方が良くて、その人にあった環境がたぶんあるのだろうと思う。もしミスマッチが起きているなら、すこしそういうところを気にした方がいいかもしれない。
 
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手前が僕の席ですが、照明は色を見るための評価照明と夜の雰囲気に合わせた暖色系のLEDライトを使い分けたり、オーディオはデジタルアンプだけに変更して、PCからアンプに直結して席からそのままコントロールできるようになっています。
PCの横にはApple Pencilがあって、紙に打ち出して赤入れをすることはなく、ipad proでPDFに直接コメントを書いてそのままメールやチャットツールで送信する。できるだけペーパレスな環境にしていますが、アナログの紙サンプルやDICやPANTONE、シルク印刷のカラーチップ、シール見本などはすぐに取り出せる位置に配置しています。
 
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本棚にはよく使う資料がすぐ取り出せるようになっています。お気に入りの写真集やフレームは本棚に置いていつも見れるようにしています。左がデザイン、右は会社の事務処理用の資料(帳簿や名刺、各種送り状など)が配置されています。椅子は10年以上前に頂いたハーマンミラー製のイームズアルミナムグループです。
 
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ミーティングスペース兼、撮影スペース兼、くつろぎ場所はずっと好きなハーマンミラー製のイームズのサイドシェルチェアのビンテージと現行品を織り交ぜて。ここにでていないものでもたくさんシェルを持っていますが、気分に合わせてたまに変えています。もともと丸テーブルでしたが狭いスペースの関係でオークの天板のテーブルを置いています。買った時よりもいい感じに味が出て来ました。
 
向かって左側にはグローバルなどの包丁があったり、キッチンにはたくさんの道具がかけられていて、仕事もプライベートも同じツールを使っています。右側にはその時に気になって買った雑誌や定期的に届く雑誌、お客さんのフライヤーなどが雑多な感じで入っています。
 
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テーブルの奥には買い集めた食器がたくさん入っています。主に日本の作家さんのものか、骨董とは呼べない古道具系の食器など、値段に関わらず好きなものを集めてコレクションしたり、仕事やプライベートで使用しています。この場所に人を招いてゆっくりとごはんを食べながらお酒を飲んで楽しい話をすることが、実は一番好きなことかもしれないなぁと感じています。
 
最近はどんなに夜忙しくても、家族だけでファミレスなどに行くことがほとんどなくなりました。簡単なものでも少し炒めたり、お惣菜も買ってきても器に盛り直したりして自宅で食事をしています。オンオフの切り替えをしたい時、外でごはんをしているとどうしてもオフになりきれなくて、だったら自宅で気持ちをオフにしたいと思うようになったのだと思います。
 
量販店に並ぶ商品のパッケージや広告をよく作っているので、お店に足を運ぶことも大切で、そこで季節感も感じるし、なにが売れているのかとかもイメージできます。デザイナーは普段自分以外の人がどんな生活をしているのかを知る必要があって、僕はSOHOなので通勤はないのですが、たまには通勤電車に乗ってみたり、渋滞に巻き込まれたり、普段やらないことも経験することも仕事のうちかなと思っています。
 
少し話が逸れてしまいましたが、こうなりたいとか、あの人の生活に憧れるとか、誰しも人の生活と自分の生活を比較することがあると思います。でも憧れる時点でその人とは違うんだと、本当は自分で認めているはず。
例えば作曲家は自分が好きな音楽と作れる音楽は必ずしもイコールではないだろうし、「好き=天職」とはならないのが当たり前で、本当は自分ができることを探すことが大切なんだと思います。
ただ、環境を変えたりしていくと気持ちも変わって、向かいたい方向に向かえることもあると思います。
 
生まれたばかりの赤ちゃんに夢を聞いても答えられません。夢とか目標って自分が生きてきたプロセスから出てくるもので、「夢があるから行動できる」のではなくて、「行動しているから夢や目標が見えてくる」ことに気がつけば、「行動が想いを超えていく」というシンプルなことに気がつくと思います。だからまず動くこと、0を1にする行動を外に向けてやらないといけない。
 
目標とか夢とかがなくても、大抵目の前にやらないといけないことがある。
その目の前の一つのことをクリアしていくことが大切で、そこから心境が変わり、また行動が変わる。
一生懸命とか徹夜でとか、たぶんそういうことではなくて、もっとシンプルで靴を揃えるとか、そういうことのような気がします。

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