今を生きる僕たちの為じゃなくて、これからを生きる人の為に


 
今週は、木曜から土曜まで青森に出かけていました。
目的はお墓参りとか、友達に会うこととか、プライベートが半分ですが、都会と田舎のコントラストを感じにいくことで、これから何をやればいいのかを考える旅でもあります。
 
毎年少しずつ違う季節に行って、その時期の雰囲気を感じたいと思っているけど、今年の弘前は少し静かだった気がします。色々話しを聞くと、どうもリンゴの収穫時期は農家の方達が忙しくなるから、街も静かになるとのこと。
今までそんなこと意識していなかったけど、やっぱり街というのは人がいて初めて成立するもので、そこに暮らす人たちのライフサイクルが密接に関わっているんだと、改めて感じました。
 
 

 
さて、写真は弘前の「こぎん研究所」。
一階では地元の方達がこぎん刺しの商品の最終仕上げを行なっていて、二階は弘前の市役所や斎場など、数々の建物を設計した前川國男氏の資料館になっています。この建物は前川國男氏が設計した最初の作品だそうで、歴史を感じさせられる佇まい。今の僕たちが見てもいい建物だなと感じるのは、床材とか、金具とか、窓枠とか、細かい部分までちゃんと考えられた結果なんだろうと思いました。
 
 

 
弘前はいいものを長く使うことがとても上手な気がします。
経済の為なら、古い建物は壊して、新たに建設した方がいいかも知れない。でも、歴史を積み上げて初めて出来上がる「価値」というものは、スクラップ&ビルドでは作り上げることはできない。
 
30年前にねぷた祭りに行くときに通った「仲町伝統的建造物群保存地区」は、今もそのまま残っていることに驚きました。
 
思えば、僕たちは先人が築き上げた過去の遺産で生活をしているようなもの。建物、生活インフラ、何もかも全て、自分たちが作ったものではない。
僕たちは普通に生活をしていると、なにが「自分にとってメリットなのか?」でしか判断しないことが多い。残念だけど、先が見えていないとこうなってしまうのは仕方がないことなのかも知れません。
 
先日、ふとしたきっかけで政治について考える機会がありました。正直、今まで政治に参加したいと感じる人たちが何をやっているのかなんて、真剣に考えたことがありませんでした。私設秘書の方にいろいろな話を聞きながら、僕たちに出来ることは、なんでもいいけど、何かを壊すこと出なくて積み上げることなんだと感じました。現状のものを否定するのではなくて、そこから何を積み上げられるかをきちんと考えることが大切。
 
道具がないからできない。僕たちはそんな立場じゃない。やっても意味がない。儲からない。
 
そういうことじゃなくて、いいことを続ける。積み上げる。少しでも前に進む。今の自分にとっての利益だけじゃなくて、半分は人の為に何かをすること。その積み重ねが僕が弘前で見た素晴らしい歴史的建造物だし、半世紀をかけてもっと価値のあるものに変わってきている。目の前のことだけでなくて、これからのことを考えた選択をすることが、過去の恩恵を受けている僕たちが、次の世代のためにできることなのかと感じました。
 
難しく考える必要なんてなくて、世の中をよりよく変えようとしている人たちの声に真剣に耳を傾け、応援したい人を応援したり、エールを送ったり。
 
例えば、ただ安いからあそこのお店で買うとかじゃなくて、こんなに値段で提供してくれて「ありがとう」と思って買い物ができるといいなと思う。チェーン店も個人店も関係なくて、スーパーでも八百屋でもコンビニも全部。
 
 

 
旅に出ると自分と違う価値観に触れることができます。いつも思うことは、いいなぁと思ってもそれをそのまま違う場所に持って行っても同じような結果にはならない。学ばないといけない部分は、自分とは違う正解がたくさんあることだったり、多様性を認める感覚を磨くことだと思います。
 
そしてそれを前提に、自分で何ができるかを考えたり、少しだけこれから先のことを考えて時間やお金を使うことが大切だなと感じました。
 
僕自身も、少しこれからのことを考えて、日々行動していけたらいいなと思いました。

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