小さなことから始めて、リスクを負うことに慣れていく

先日、地域の小学校を訪問して「地域おこし協力隊」としての活動の話や、僕自身の仕事の話をする機会をいただきました。校長先生とは事前に打合せを行って、児童に気付きを与える授業にしたいという感じで話をまとめて当日を迎えました。

  1. 僕のデザイン事務所の話
  2. 地域おこし協力隊の活動話
  3. 自分でもできる地域おこしを考える

こんなプロセスで児童が自分でできる「地域おこし」って何だろう?と考えてもらいました。実際に地域おこし協力隊の仕事内容、何で地域おこしが必要なのか?を書き出してもらうと非常に興味深い内容になりました。

イメージは地域の人に「奉仕」する活動

  • 地域の人が楽しめるように(楽しさ)
  • 地域の人が暮らしやすいように(安心)
  • 地域を盛り上げる、みんなを喜ばせるために(楽しさ)
  • みんなが安全に暮らせるように(安全)
  • 地域を綺麗にするため(掃除)
  • 小学校を広める(広報)
  • 飯高の良さを知ってもらうため(広報)
  • 人が減らないようにするため(少子高齢化対策)
  • 人口が増えて楽しくするため(楽しさ)
これを見てみると、責任重大だなぁ(笑)と感じたのですが、基本的には協力隊の「協力」というキーワードから連想されるイメージなのだと感じました。

「地域おこし協力隊」の定義

総務省のホームページを見てみると協力隊の概要が記載されているのですが、その内容は以下の通り記載されています。

地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に移住して、地域ブランドや地盤産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。

こうみると、大体思われているイメージと、国の思惑が合っている気がします。ただこのプロジェクトのゴールは上の引用にも書いてあるのですが、「その地域への定住・定着を図る取組」で、どうやって「定住・定着」していくかが本当に難しいなぁと感じています。条件不利地域での自立は都会での自立よりも難しいのではないかと、約半年過ごしてみて感じているところです。

経済的に自立できないと、定住・定着に繋がらない

結局、国からお金が出ている間は「地域協力活動」ができるけど、それが終わってしまったらサービスを享受していた方が元の状態に戻ってしまう事態に陥る。そうならないように、サービス提供者が活動に対する正当な利益を得られる仕組みで活動しないと、定住・定着に繋がらないのではないかと感じます。

日本の文化的にお金を稼ぐことに対する抵抗感があると感じる事が多い気がしますが、それはある意味「無料なのだからこのくらいで仕方ない」などという惰性に繋がってしまう可能性もあり、そう行った活動は責任者や当事者が不在の中途半端な活動になりかねないと思います。そうならないために、「正当に対価を支払う」ことがいかに重要なのかと感じています。

小さいリスクを負いながら、見通しが立ったら一気にスピードを上げる

僕が何か新しいことを始める時に一番意識していることは、自分がまず最初に動いてリスクを負うこと。数年前は狭い作業部屋の中で、検討していたキッチンカートの試作を作ったり、お茶もまずは自分でパックして手書きのパッケージで販売したり、公園でフルコースを出したいから200人分の食器をお客さんも決まっていないのに用意したり、他にも古民家を購入したり、今現在も会社として色々なプロジェクトに取り組んでいます。

その活動は徐々に身を結び、色々な成果として現れました。

これらの活動は、デザイン事務所として活動とは別に行っている様々なプロジェクト。大規模のケータリング、お茶の栽培から商品化、そして他地域での販売など、関わるみんなの力で形にしてきたとても愛着があるプロジェクトです。

表舞台にリリースされる情報ではどんなことをやっていたかというバックグラウンドが見えにくく、他の人がやっているプロジェクトを見るとすごく軽やかにセンスよく見えてしまうものですが、実際には細かい課題を少しずつクリアしてきた結果でしかゴールに到達できないと思います。

新しい事を行うというのは非常に骨の折れる作業の繰り返しで、特にスタートアップは負荷もかかることが予想されます。その大変な事にチャレンジして来た人たちだけが見れる景色があると思うので、そこを目指して頑張っていきたいと、常々考えています。

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